音時雨 ~Regentropfen~

❀ 満月のエルフ (JP)

し  神秘なる満月の夜深し
か  影投げる深遠な森の奥
た  漂っていたのはエルフの詩
あ  あらゆる色集え紡ぎて綴った
き  綺麗な透明なる精霊の心は
こ  このまま眠れずに囁いた
-- 志方あきこへの捧げ詩 –
広がる音楽の世界に、ひとりの精霊がいる。彼女の七色の音色が紡ぎ出すのは、無限に伸びる幻想的な旋律、満月の夜に生まれ澄み渡る讃え。
この精霊の名前は、志方あきこ。
最初の出会いはあるブログで、『RAKA』のジャケットを見ていたこと。深い夜空に、一輪のまん丸の満月が明るく照らし、下は長く伸びていた聖地への道、両方は隊列になった高い柱。精霊はそこで祈った(志方さんの服装に纏い伸びた白い薄紗(ハクサ)は、確かに精霊の翅の様だった)。
このジャケットを見たとたんに、「こんな美しい境地の中に、どんな音楽があるのか?」と、私は想った。
そして、私は『RAKA』を聞いた。
そして、私は志方あきこという音楽家に恋しくなった。
~深遠なる~
2001年 『緑の森で眠ル鳥』
自費出版の最初のミニアルバム。普通の流行歌とは違う味わいがある。そのアルバムからのとても強くて濃すぎる個人風は、今の音楽にでも聞き分かれるの。もっと詳しく言えば、志方あきこの音楽の中に流れ出すのは、彼女ならではの民族スタイル。また、彼女ならではのクラシック風の旋律。編曲上に特に素晴らしく見える。歌声のほうも透明感が十分だったし。このアルバムが発売した後で、人気が大きくなった。
アルバム中、私の一番好きなのは「Notte」である。イタリア語の使いはこの歌をより素晴らしくさせた。鼓や他の飾り音も歌を豊かにさせた。それで、私はこんな急ぎリズムが好き。
「サクリファイス」もすごい。特には和声の分が何よりだと想うの。
~透明なる~
2002年 『Petit Fours』および全てのオルゴールCD
今まで共に三枚のCDが出てきた。『Petit Fours』(2002年)と『VIRIDIAN』(2004年)と『Wisteria』(2005年)。
オルゴールの音色で全曲を創り出すアルバムはめったに無いね。このオルゴールシリーズには、志方あきこの音楽素材とも見える。中にたくさんの断片も後の名曲になった。たとえば、「西風の贈り物」や、「Notte」や、「花帰葬」など。もちろん歌に作りかえらない曲も同じく美しくて可愛い。
オルゴールはよくプレゼントにして人々に幸せな思いを上げる。透明な音は流れる以上、あなたの心は幸せ満ちられているのだろう。
~華麗なる~
2003年 『廃墟と楽園』
また自費出版のアルバム。よほどのイタリア語で歌う曲があるゆえ、このアルバムがとても華麗そのものである。それに同名収録曲「廃墟と楽園」が、MUZIEにて24ヶ月連続1位を獲得し続ける。さすがすごいでね。アルバム全体、つまり、いろんな歌に揺らぐ柔らかさが私にくれた感覚は、早春の淡き青空に照らす陽光、というものである。
このアルバムの中、一番の気になる曲は「MARE」(イタリア語、「海」の意味である)。また先の話を繰り返しよう、和声がすごい。海というタイトルを相応しようとする重なる声の波が、一番印象的な部分である。況してそのゆらりとの旋律は、まるで海の波のようだ人の心に涌き回す。それは私にとって、一番自然的な感覚である。
~神秘なる~
2005年 『Navigatoria』
デビューのアルバムと呼ばれるけれども。志方あきこの実力はずいぶん強かったものよ。前の作品に引き換え今度の曲たちはより神秘な感覚がある。全体の印象は、静まる夜空、深い森の奥、広い海の上、揺らす影。それで何だか、私は全体に見ると、このアルバムは「廃墟」ほどの素晴らしくないと想う。でも、曲々バラに見れば、ほとんどの歌も大好きなの。たぶん、このアルバムがそんなに素晴らしくないと、私に思わせるのは、歌ごとに一つの繋ぎがないと言う事かもしれない。
より好きなのは:
「Navigatoria」(歌の作り出した気分が好き)、
「睡恋」(志方さんの音色が好き)、
「西風の贈り物」(イタリア風が好き)、
「花帰葬」(作詞と編曲が好き)、
「Makeda ~ Queen of Sheba ~」(濃い異国風が大好き)。
~豊かなる~
2006年 『RAKA』
このアルバムは私と志方さんの出会いだった。アルバムを聴いた後で、友達にただ四つの文字を言った:「豊かだ」と。
確かに間違わないの。これは『RAKA』を形容すれば一番の言葉かもしれない。『RAKA』は豊かの故に、聴いても聴いても飽きることはない。これは本当だよ、ある日、私は『RAKA』を一日中でも聞いていたこともある。(笑)
このCDに及ぶ、一番好きな歌なんかない、言い換えると、全部好きということ。
ここで詳しくいえないけれど、特に幾つの曲を進めよう。
 「金環蝕」(勢いがすごく強い)、
 「春告げ~Raggi di primavera」(イタリア風の歌で幸せの感じがある)、
 「まほろば」(和風、聴くと心地よくなれる)、
 「蒼碧の森」(静か、心を落ち着かせる歌)、
 「祈り~モンラム~」(チベット風、もくしは歌う言葉もチベット語。チベット語…ブックレットにもチベット語…ああ~志方さんがなんて素敵なぁ)、
 「うたかたの花」(なんか、「花帰葬」と同じ感覚があるね)、
 「晴れすぎた空の下で」(民謡風の歌、ここで大讃!バイオリンなどの編曲が聴くとすごい!)、
 「AVE MARIA」(F. Schubertの名曲。余計なこともう言わない)、
 「謳う丘 -EXEC_HARVESTASYA/.-」(やがて、ゲームに使われた自造語も登場した。そして、これはこれは、150もの音軌が使われて、上手に混ぜ出した歌だよ!ほら、よく見ろうよ、150もの音軌、150!ある非凡の勢いがここから生まれだしたの!)
さすが志方さんだけあって、『RAKA』を形容すれば「豊か」しかないのね。
豊かなる。うん、豊かなる。
~震撼なる~
2006年並びに2007年 PS2ゲーム『アルトネリコ』主題歌等
ゲームを遊ぶのを逃してはかまわないが、ゲームの四つ枚のCDを聞かなければ非常に残念なことです。せめて志方さんの参加する作品だけを聴けばいいの(そして私はこんな人たちの典型の一人)。
ここで、ぜひ言うべきの二つ:
「EXEC_CHRONICLE_KEY/.」 (2006年1月25日 『星詠~ホシヨミ』より)
「EXEC_with.METHOD_METAFALICA/.」 (2007年10月23日 『焔~ホムラ』より)
私は何も書きたくないの(私は疲れたもん)。ただ大人しくこの二つの歌を聴いてみよう、それであなたは「震撼」というものは一体何かが分かれるの。きっと。
「多重録音が織り成す七色の歌声、無国籍ヒーリングミュージックの歌姫。」
志方あきこ、あなたの歌から無限なる感情が溢れる。あなたならではの歌は精霊の歌そのもののようだ。あなたの国にただひとつあるのは自由な旋律、あなたの幻想にただひとつ綴ったのは彩られた調べ。あなたの歌は満月の夜空に澄み渡る、永久に届ける聖なる祭典の謳。
-- 志方あきこへの捧げ詩 終—
し  しんぴなるまんげつのよるふかし
か  かげなげるしんえんなもりのおく
た  ただよっていたのはエルフのうた
あ  あらゆるいろつどえつむぎてつづった
き  きれいなとうめいなるせいれいのこころは
こ  このままねむれずにささやいた